2016年度活動報告
理事長挨拶
平素は、本学に対して格別のご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
創立70周年を迎えた平成27年に、本学が全国最上位レベルの大学へと飛躍を遂げるためのサポート体制として設立した「未来への飛躍基金」は皆様のご理解とご協力を得て、着実に形を整え、その役割を果たしつつあります。
そこで、今般、基金の収支実績と活用事業をご紹介する『活動報告書』を作成し、始動した「未来への飛躍」に向けた取組の数々を報告させていただきます。
本学は、本年4月に、「未来への飛躍」の道標となる将来像を策定するとともに、その実現のフィールドとなる新・現キャンパスの整備イメージを公表したところです。
本学の「未来への飛躍」に向けた条件が整い、いよいよ始まった離陸のための滑走をしっかりと支えるため、これから、基金の役割はますます重要になります。
基金の活用により必要な取組を積極的に展開し、本学の「未来への飛躍」に万全を期していく必要がありますが、それには、皆様の基金への継続的なご支援が不可欠であります。
皆様には、引き続き本学の「未来への飛躍」にお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
公立大学法人 奈良県立医科大学
理事長・学長細井 裕司
~新キャンパスの整備イメージ~
2016年度実績のご報告
平成27年度及び平成28年度の寄附申込額は、各年度とも約2億円に上っています。
皆様からいただいたご寄附は、教職員が教育・研究・診療の各分野で存分に力を発揮できる環境や、学生の充実した修学環境を整え、本学の未来を担う優秀な人材を育成するなど、有効に活用させていただいており、平成27年度に着手した取組は、平成28 年度から本格化させつつあります。
平成27年度寄附申込額と使途
【寄附申込額】計 188,550,850円
役員・教職員・・・32,708,000円
教職員以外の卒業生・・・109,141,000円
その他・・・46,701,850円
【使 途】計 1,692,000円
将来を担う優れた人材育成を目的とした修学環境の向上(大学院奨学金)
平成28年度寄附申込額と使途
【寄附申込額】計 203,494,096円
【使 途】計 34,033,587円
活用事業のご報告
「未来への飛躍」基金の使途から一部ご紹介します。
研究の更なる飛躍に向け科学的探究心を醸成するための取組
リサーチ・クラークシップ
今回行った取組の一つである「リサーチ・クラークシップ」について、学生の研究留学報告書から紹介します。
「リサーチ・クラークシップ」は、入学後早期から専門領域の研究内容に触れ、高度な実験の進め方を体得することによって、研究活動の意義や研究者の心を理解して科学的探求心を培うことを目的とした、医学科2年生を対象とした国内及び海外の研究室での実習です。実習に伴う交通費や実習費は法人が負担し、宿泊費の一部を本基金から助成することにより、本人負担をより軽減しました。
Joslin Diabetes Center(アメリカ)に研究実習留学しました
アメリカの様々な文化や雰囲気、また医学現場においては、学校での座学とは異なり自分のわからないところや興味のあるところを能動的に見つけ理解を深め、討論をしなければなりませんでした。初めはそういったことに慣れず行き詰まることもありましたが、実習を通してそういった医学への向き合い方というものがわかったと思います。
その他にも英語での学習の大切さを学ぶことができました。全て海外での研修であったから得られたものであると確信しております。一生忘れないような貴重な経験をさせていただきました。
今回の留学の成功は「未来への飛躍基金」による経済的な補助無しでは成しえなかったものであると感じております。今回の留学で得られたものを将来の自分に活かし、何かの形で恩返しできるよう日々さらなる努力を続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。
医学科 3年生土田 諒平さん
大学院医学研究科博士課程入学者に対する奨学金
本学の大学院への入学を促進するための取組として、入学者に対する奨学金の貸与制度を平成27年度に新設しました。
微生物学の研究を行っています
私は大学卒業後、看護師として病棟業務に従事する傍ら病院全体の院内感染対策活動にも携わってきました。その経験の中で、院内感染対策は医療従事者側からのアプローチだけでは不十分な側面があることを学び、相手側(微生物)の詳細を知ることこそが効果的な感染対策に結びつくのではないかと考え大学院に進学しました。
修士課程で薬剤耐性アシネトバクターに関する研究を行う過程で、その耐性機序の多様さ、奥深さを知り、薬剤耐性菌をさらに探求するなら、その道をリードする教室で学びたいと考え、奈良医大に入学しました。
現在は先生方や研究室の同期にも恵まれ、またこの基金をいただけたこともあり、安心して研究に専念できる毎日を送っております。将来は研究活動を続けながら後進を育成し、また地域社会や臨床に身につけた知識を還元できるよう努力していきたいと考えております。
この「未来への飛躍基金」を支えてくださるすべての方々に心より感謝申し上げます。
生体情報・病態制御医学専攻微生物学 鈴木 由希さん
将来を担う優れた人材育成を目的とした修学環境の向上
良き医療人となるための人間形成に大きな役割を果たすクラブ活動を充実させるため、老朽化したクラブ棟の改装を行います。
改装工事については、平成30年1月頃に着工予定としております。
本学と地域社会との繋がりを強化するための取組
平成28年10月にイオンモール橿原で開催されました健康長寿~家族の健康を守ろう~という取組へ支援しました。
この取組は、地域住民の方へ本学が進めている「医学を基礎とするまちづくり(MBT)」を始めとする活動を紹介することで、地域における本学の存在感を高めることを目的としています。
今後とも引き続き、本学と地域社会の連携を強める活動に協力して参りたいと考えております。
「未来への飛躍基金」感謝の集いの開催
平成28年11月6日(日)にシェラトン都ホテル大阪を会場に、「未来への飛躍基金」感謝の集いを開催し、ご支援を頂戴した約90名の方々にご出席いただきました。
当日は、細井裕司 理事長・学長含め役員からご協力いただいた皆様への感謝の意をお伝えしました。続いて、キャンパス整備や附属病院の現状など大学・附属病院の近況について、各役員より紹介し、参加者に理解を深めていただきました。
今後も感謝の集いを通して、本学をご支援いただいている方々への謝意を伝えるとともに、本学の今後のビジョン、本基金の活用についてご紹介していきます。